Power Appsの開発者環境、11月15日からどう変わる?――残したいアプリを守るために

Power Appsのアプリとデータを整理し、継続利用に向けて保管する様子を描いたイラスト Power Apps

以前、Power Appsの学習用に作ったアプリ。勉強会で使うサンプル。次の提案に使おうと、少しずつ育ててきた試作環境。

普段の業務環境とは別に、こうした場所を持っている方もいると思います。いま確認したいのは、その環境が「開発者環境」であり、かつ「非管理」かどうかです。

Microsoftは、非管理の開発者環境を段階的に廃止する方針を案内しています。対象には、無料のPower Apps Developer Planへの登録で作られる環境も含まれます。[1]

ただ、「無料の開発環境が全部なくなる」「11月15日に今あるアプリが消える」と理解すると、対応を間違えます。

まず自分の環境が対象かを確かめ、残したいものを決める。その後に、利用条件に合う継続方法を選ぶのがよいと考えます。

最初に見るのは、環境名より「種類」と「Managed」

「個人開発用」「検証」「Dev」といった名前だけでは、今回の対象かは分かりません。

Microsoftの案内では、Power Platform管理センターの Manage > Environments で、次の条件に該当する環境を確認します。[1]

確認する項目今回、確認が必要な状態
Type(種類)Developer
Managed(管理対象)No

すでに管理対象になっている開発者環境は、今回の非管理環境の廃止対象ではありません。また、本番、サンドボックス、試用、既定の環境も、この通知の対象外です。[1]

ここで混同しやすいのが、Managed EnvironmentsとManaged Solutionです。

今回確認するのは、環境に対する管理設定です。「アプリをManaged Solutionで移送しているから問題ない」とは判断せず、環境そのものの種類とManagedの状態を見てください。

管理センターを確認できない場合は、管理者へ環境名とURLを伝え、「TypeがDeveloperで、ManagedがNoに該当しますか」と聞くと、確認してほしいことが伝わります。

11月15日、12月15日、1月15日は、それぞれ意味が違う

2026年11月6日時点の公式案内は、次の三段階です。[1]

日付対象となる変更
2026年11月15日から非管理の開発者環境を新しく作れなくなる。Developer Planへの登録による開発者環境の自動作成も終了
2026年12月15日から既存の非管理の開発者環境の停止開始
2027年1月15日から停止された非管理の開発者環境の削除開始

新規作成の終了と、既存環境の停止・削除は別です。いま使っている環境を残す対応は、停止が始まる12月15日より前に進める必要があります。

また、Developer Planの現行説明には、利用しているかどうかにかかわらず、対象環境の停止・削除が進むと記載されています。「最近ログインしているから大丈夫」という判断はできません。[2]

期限当日にエクスポートや相談を始めると、権限や移行先の調整が間に合わない可能性があります。残したい資産があるなら、11月のうちに方針を決めておきたいところです。

今あるアプリを残す方法は、目的から選ぶ

公式資料では、必要なライセンスを確認して環境を管理対象化する方法、ソリューションを別環境へ移す方法、短期間の検証には標準の試用環境を使う方法が案内されています。[2]

同じ環境を使い続けたい場合

管理者に、開発者環境でManaged Environmentsを有効にする方法を相談します。

ただし、Developer PlanにはManaged Environmentsの利用権が含まれていません。 現在の契約で何が利用できるかを確認してから判断する必要があります。[2]

「設定を一つ有効にすれば、今と同じ条件で継続できる」と説明するのは避けたいところです。使う人、使う資産、保有ライセンスをセットで管理者へ伝えましょう。

別の場所で開発を続けたい場合

ソリューションをエクスポートし、組織が用意するサンドボックスなどへ移す方法が候補になります。[2]

この場合は、移行先が決まるまで待つより、先に「何を残すか」を整理すると話が進みます。

たとえば、学習用のアプリが五つあっても、今後も使うのは二つかもしれません。一度だけ試したもの、同じ内容の古い版まで全部残そうとすると、移行作業の範囲が膨らみます。

一度だけ機能を試したい場合

標準の試用環境は引き続き選択肢として案内されています。[2]

ただし、継続的にサンプルを育てる場所と、期間を区切って機能を確かめる場所では、求める条件が違います。長く残す成果物があるなら、その保管先と再利用方法も先に決めておくことを勧めます。

「ZIPを保存した」で終わらせない

ここからは、移行準備についての実務上の提案です。

手元にファイルがあることと、必要なものを再び使えることは、確認を分けて考えたいところです。まずは小さな一覧で十分です。

残すものの例確認しておきたいこと
アプリやカスタマイズどの成果物を残すか。移行先でどの操作を確認するか
デモ・検証用データ再作成でよいか。残す必要があるか。持ち出してよい内容か
フローや外部サービスとの接続移行先で誰が接続・実行条件を確認するか
説明資料、設定メモ、ソースコードどこに保存し、何と対応する資料か分かるか

これは製品の自動移行機能の説明ではなく、確認漏れを減らすための整理例です。

たとえば、提案用のアプリなら「起動できる」だけでなく、「サンプルを検索できる」「一件登録できる」「デモで使う処理が動く」まで確認して、再利用できる状態かを判断します。

移行先がまだなくても、何をもって確認完了とするかは書けます。それがあれば、管理者や別の開発者へ作業を引き継ぐときも説明しやすくなります。

管理者への相談は、この四点で始める

相談するときは、長い背景説明より、判断に必要な情報をそろえる方が有効です。

  1. 対象環境:環境名、URL、Type、Managedの状態。
  2. 残したい用途:学習用、継続開発、勉強会、提案デモなど。
  3. 残したい資産:アプリ、データ、フローなどの範囲。
  4. 相談したい判断:管理対象化できるか、必要なライセンスはあるか、別の移行先を用意するか。

今回の変更では、新しい環境の用意だけを考えると、今まで作ったものの扱いが後回しになりがちです。

まず一つ、自分が次も使いたいアプリを選んでください。そのアプリがどこにあり、誰に相談すればよく、どうすれば再び動かせるか。そこまで分かれば、環境の変更を具体的な作業に落とし込めます。


参考資料と更新日の確認

本記事は2026年11月6日時点の公式案内に基づきます。扱っているのは廃止予定と移行案内であり、新機能のGA/プレビュー発表ではありません。製品仕様は[1][2]、資産一覧や相談の進め方は筆者の実務上の提案です。

番号一次資料日付の確認
[1]Important changes (deprecations) coming in Power Platformページ初回公開:2017年6月27日。今回引用する非管理開発者環境の廃止・対応説明は、公式ソースの2026年10月16日の実質更新で追加されたことを差分で確認。ページ全体の更新日2026年11月2日を、当該項目の新規性の根拠にはしていない。
[2]Power Apps Developer Plan Guide初回公開日は未確認。引用箇所に関係する廃止・継続方法の説明を2026年10月16日、作成上限・利用権の説明の追加を10月19日の公式ソース差分で確認。ページ表示の更新日は2026年10月26日。

実質更新の確認に使用したMicrosoft公式リポジトリ:

送審日からの確認対象期間は2025年11月6日~2026年11月6日。上記の更新では、本文に関係する説明の追加を確認しており、著者名やページ日付だけの変更は根拠としていません。

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