dynamics 365 プロジェクトの種類をまとめ

D365 Project

ITテクノロジー界隈において、プロジェクトの種類は大きく2つが分かれています。

1つはスクラッチ開発です。すでに存在する土台を利用せず、ゼロからプログラミングを組んで、システムを作ります。モジュール、クラス、DBなどはありません。全部ゼロから設計、開発を行います。

2つはパッケージ導入です。すでに存在するベンダーが開発したパッケージを土台にしてフル活用します。既に作られた枠に基づいて、業務側の要件に合わせて要らない部品を削除したり、必要な部品を追加したりといった導入、実施、納品の作業を行います。

dynamics 365のプロジェクトは、2つ目パッケージ導入に当たります。

その中にも、細分化されたプロジェクトの種類がいくつか分けられていますので、今回はdynamics 365 導入におけるプロジェクトの種類を説明します。

dynamics 365 プロジェクトの種類は3つ

dynamics 365 導入におけるプロジェクトの種類は3つあります。

種類Upgrade(更新系)Enhancement(拡張系)Full implementation(フル導入系)
実施期間週単位。4週間~6週間月単位。3ヶ月~8ヶ月年間単位。1年~
複雑さ複雑ではない、簡単少し複雑非常に複雑

上記の表でまとめたように、プロジェクトの種類は「Upgrade(更新系)、Enhancement(拡張系)、Full implementation(フル導入系)」が分けています。

プロジェクトの期間、規模

Upgrade(更新系):

dynamics 365は毎年2回のリリース更新を行います。それはMicrosoftが強制的にリリースをプッシュするような形であり、利用のユーザーは拒否する権利がありません。最新のリリースPushを受けてから、何らかの不具合が発生する可能性があります。例えば、out of boxの機能が上手く動作出来なかったり、プラグイン機能が無効になったりとか、リリースに伴って今まで利用した機能が使えなくなるという事象が発生します。

ユーザー企業内部の専門家が上記の不具合を把握してきますので、多半数がすぐに解決できますが、少しややこしくて解決に至っていないことも存在します。その場合、ベンダーおよびMSに直接に問い合わせます。解決できない訳ではありませんが、何週間がかかりそうな感じがします。肌感覚だと4週間~6週間ぐらいがかかります。

Enhancement(拡張系):

ユーザー企業は既にdynamics 365を導入して活用するとします。今回はビジネスの要件によって、dynamics 365の新しい機能を拡張していこうと決まります。今まで導入してなかった(利用していなかった)機能を、今回追加導入して欲しいと、ユーザー企業からベンダーやコンサル側に要望が来ます。単純な改修ではないので、少し複雑の話ではあります。

拡張しようとする機能と現存の機能の互換性、関連性は考慮しないといけません。あくまでも新機能追加なので、普段の導入プロジェクトのプロセスに沿って行う必要があります。ただ、実績が存在していますし、ユーザー企業も使いこなしてもらいましたので、前の経験を踏まえて今回の導入は進めやすいと言えます。機能にもよりますが、大体3ヶ月~8ヶ月ぐらいがかかります。

Full implementation(フル導入系):

それは一番難しく複雑なプロジェクトになります。dynamics 365を丸ごとのパッケージとして導入する案件と言えます。年間単位として少なく1年以上かかると覚悟しておいた方がいいでしょう。要件定義からやらないといけないし、フル導入を実施する企業の規模も相当大きく、ステークホルダーもそれなりに多いので、一概には言えませんが、簡単に済ませるものではなく何年間がかかりそうな感じがします。また、予算も毎年億単位が発生するケースが多いです。

関連するユーザー数

関連するユーザー数について、結論は2つあります。

1 実施規模が大きいほど関連するユーザー数も多いという傾向があります。

2 結局ターゲットとする企業の規模にもよります。

Upgrade(更新系)のような単純なプロジェクトでも、対象ユーザー企業の利用者は何万人がいらっしゃいましたら、関連するユーザー数もそれなりに多いと見られます。なので、プロジェクトの種類や複雑さをフォーカスにして見るだけではなく、対象のユーザー規模も考慮しておいた方がいいと思います。

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