Power AppsとDynamics 365の連携 Part3:ポータルサイト

Dynamics 365 Portal

 Power Apps(Power Platform)とdynamics 365のシリーズを引き続き解説していきたいと思います。

 前回Part2では、アプリ作成の時に、例を挙げてポータルサイトの作り方を触れてきました。

 今回はポータルサイトを中心に、ポータルサイトの必要性、どの場面で使うのか、および立ち位置を説明します。dynamic 365のポータルサイトのイメージを理解して頂ければと思います。

ポータルサイトの必要性

 日常業務の中で、従業員は必ず誰かとやり取りする場面であります。メールやSlackやTeamsなどの連絡手段を使うだけではなく、みんな同じく見えているサイトは存在しています。

 例えば、サプライチェーンの受注、発注の場面を想像してみてください。製品が足りなくて注文が必要となる時に、自社の社員はサプライヤに発注を行います。サプライヤは発注を受けて受注作業を行います。また、納期に関するやり取りも、自社の社員とサプライヤの担当者の間に行います。

 一定の規模になってくると、上記の受発注管理はメール1通で済ませるのはほぼ不可能です。なので、となる媒介を通じてやり取りする必要があります。その媒介はポータルサイトになります。受注側と発注側、どっちも該当製品に関する同じ情報が見えています。情報共有しながら作業を進めているプロセスになります。

 その場合、限られた情報かつ双方に対する必要な情報だけをポータルサイトに乗せるという構造になってきます。単なる負担かかるので余計な情報や要らない情報を掲載する意味がないし、サプライヤ他社の情報に見える訳ではありません。外部と内部、自社と他社の境目がちゃんと管理されています。

ポータルサイトの種類

 業務のロジックからすると、社内、to B(企業向け)、to C(ユーザー向け)の感じで大まかに3種類を分けています。

 dynamics 365のでは、細かく分けられていますが、5種類のポータルサイト作成できます。

  • コミュニティ:コミュニティ ポータルでは、お客様と専門家の間でのピアツーピアの対話を活用して、サポート情報の記事、フォーラム、ブログから入手可能な情報のカタログを有機的に成長させたり、コメントと評価に基づいてフィードバックを提供したりします
  • お客様によるセルフサービス:顧客セルフサービス ポータルでは、お客様がセルフサービスで技術情報やサポート リソースにアクセスしたり、自分のケースの進捗状況を確認したり、フィードバックを提供したりできます。
  • パートナー:パートナー ポータルを使用すると、販売店、流通業者、納入業者、パートナーのすべての組織が、共有アクティビティのあらゆるステージにリアルタイムでアクセスできます。
  • 従業員によるセルフサービス:従業員セルフサービス ポータルで一般的なタスクを合理化し、従業員各自に確実な情報源を備えれば、有能で情報に精通した人員を育成できます。
  • 顧客ポータル:カスタマー ポータルでは、顧客が注文を行い、注文履歴を確認し、Dynamics 365 Supply Chain Management からの連絡先やその他の情報を管理するためのセルフサービスの Web サイトを作成します。

 これらのポータルサイトでは、Power Appsの中で便利に作成することができます。

試して作成してみる

 今回はパートナー ポータルを作ってみます。

 Power Appsの左側の「作成」をクリックして、テンプレートから始めるのところに見てください。そしてポータルというキーボードを検索すると、5種類のポータルサイトの検索結果が出ます。そこで「パートナー」を選んでください。以下の画面が表示されます。

 名前とアドレスを入力して、作成を押して進めていけば簡単に作れます。

 ただ注意点としては、名前とアドレスは適当に記入するのではなく、社内のルールに沿って書いてください。また、今回のパートナーポータルサイトをField Serviceとプロジェクトサービスに有効にするために、手動でチェックしないといけません。ライセンスが無ければ、または普段利用していなければ、チェックせずに済みますが。Field Serviceとプロジェクトサービスを利用している場合はチェックする必要があります。

 作成を押したら、ポータルサイト作成中と右上に表示されています。種類により作成する時間がかかるかもしれません。

 今回パートナーのポータルサイトを作るにあたって、3時間ぐらいかかりました。

 作成できたら、Power Apps左側のアプリをクリックして、いま利用しているアプリの一覧で表示されます。

 ポータルサイトと同時にポータル管理ページも作られました。「ポータル管理」では、上記のパートナーポータルサイトのバックエンド側で操作、管理を行います。もちろん、カスタマイズや権限設定も行います。

ポータルサイトのリミテイション

 ポータルサイトは、あくまでも両方が見える限られた情報を載せるページであり、色んな機能を揃う訳ではありません。なので、限界は多数あります。

 ポータルサイトなのに、ホームページのように要求されるのは不合理とは言えるでしょう。私たちやるべきなのは、どの業務場面で活かせるのかを把握して、かつポータルのメリットを理解した上で活用することだと思います。

 上記のような、自社とパートナーのやり取りを円滑に進めるため、ゼロからページを開発するよりdynamics 365を活用してポータルサイトを作成したほうが効率がいいでしょう。残ったタスクは、ポータルサイトの各ダッシュボードやフォーム、表示画面などのカスタマイズの作業だけ。開発より時間短縮は可能になります。

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