Power AppsとDynamics 365の連携 Part4:ポータルサイトのカスタマイズ

Dynamics 365 Portal

 Power Apps(Power Platform)とdynamics 365のシリーズを引き続き解説していきます。

 前回Part3では、Power Appsを使ってポータルサイトを作成してみました。作成してから、ポータルサイトに対する操作を行いたい場合、Power Appsで操作する部分がありますし、Dynamics 365で操作する部分もあります。両者の重なるところや違うところもあります。

今までの経験や背景

今まで、ポータルサイトに対するカスタマイズは主にdynamics 365の中で行いました。ポータルサイトが作られてから、dynamics 365「ポータル管理」のアプリが生成されたので、バックエンド側として機能しています。

また、管理者権限があれば、ホームページのレイアウトの改修、子ページの作成、ナビゲーションの変更なども出来ます。条件は下記の図のように、管理者アカウントでポータルサイトにログインしたら、色々編集できるよっていうようなカスタマイズ画面が出来ています。

例えば、右側は親ページ/子ページの編集、子ページ、子ファイル、子フォーラムなどの作成が出来ます。左上のナビゲーションに対する編集も出来ます。つまり、管理者権限があれば、ポータルサイトにログインしてその場でカスタマイズを行うことが主流でした。

ただ、このやり方は2つの欠点があります。

1.権限管理、ライセンス管理が難しい。権限がないとカスタマイズを行えないのはまず不便です。しかもdynamics 365のライセンスは相対的は高いので、出来るだけライセンス費用を抑えつつ、限られた資源で遂行していくと考えられます。

2.カスタマイズを行うによって、ポータルサイトは膨大化になります。上記の図はあくまでも一番シンプルな感じで、実際に業務のロジックを組んできましたら、物凄く分厚いになります。その分厚いサイトの上に、直接操作はさすがに怖いし、ミスが発生しやすい。

ログインが必要となる管理者権限がなくても、dynamics 365のライセンスが持っていたら、ポータル管理にアクセスして、色んな設定を行うことも可能です。ただ、ロールが別々なので設定できない部分はあります。

MSが作ってきたPower Platformフル活用の将来像

現在Power Platformが出来たら、Power Appでもポータルサイトに対する操作は可能になった。

Power Appsの中で、dynamics 365の各種モジュールはアプリとして管理されている状況です。作られたポータルサイトにもアプリとして出ています。上記の図のように、右側の「…」をクリックすると、編集や設定などの操作ボタンが出来ました。つまり、ここの機能は、ポータルサイトにログインしてレイアウトを修正したりすることと同じです。「編集」というのは、

先と同じように、管理者権限のアカウントでログインしなくても、カスタマイズ操作が行えます。しかも、ページの母体は整理整頓でまとめて貰えるため、ページを見る時に煩わしい感覚は全くなく、むしろ見やすくなりました。

dynamics 365の後ろに持っているデータは、Power Platformに移行、統合したので、現在は並行稼働になっている状況かなって推測しています。CDS(Common Data Service) や DataVerseはすでに共通しているように見えるため、Power Platformをハブの存在として作っていくという動きがあるかなって私は判断します。並行稼働、いわゆるどっちも操作可能という状況はしばらく続けます。dynamics 365しか使わないユーザー、Power Appsしか使わないユーザーもいらっしゃいますから、完全に分断して切り分けるのは難しいですね。

ユーザーとしてはもちろんいい話ですし、dynamics 365の高額ライセンスが持たずに済むので、アカウントおよび権限の管理がしやすくなります。

具体的なカスタマイズをざっくり見る

Power Platformでカスタマイズできる箇所は以下の通りです。

・左側:セッション、モジュールの追加、編集など。

・真ん中:テーマ、レイアウト、フッター、ヘッダー、テキスト内容など。

・右側:権限、基本情報など。

大体見た目の部分は全部Power Platformで出来そうな感じがします。高度な設定は、ポータル管理に行った方がいいです。UIのカスタマイズは、JavaScriptやCssが必要なので、コードを入れ込む場所は上記の図の中で見つからなかった。また、ビューとフォームを作ってロジックを実現しようとしたら、データを取得する対象はdynamics 365のエンティティであり、Power Appsでどうやってエンティティに対する操作を行うのかまだ分からないので、とりあえずdynamics 365のポータル管理にいけば問題ないと判断しました。

にしても、Power Appsは本当に凄いなって実感した。画面のカスタマイズが出来るだけで十分にありがたいですし、負担が軽減されますね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました