Power Appsのキャンバスアプリ(Canvas)とモデル駆動型アプリ(Model-driven)は、画面の作り方とデータの扱いに違いがあります。私が携わったプロジェクトでも両方を使っていたため、この記事では選び方の観点を整理します。
2026年10月2日更新:参照リンクを修正し、直接変換できるとした説明と旧ライセンス価格を見直しました。掲載スクリーンショットは2021年当時の参考画像です。
キャンバスアプリとモデル駆動型アプリを比較
| 観点 | キャンバスアプリ | モデル駆動型アプリ |
|---|---|---|
| 設計の出発点 | 必要な画面や操作を設計する | Dataverseのデータモデルと業務の流れを設計する |
| 画面 | コントロールやレイアウトを柔軟に構成する | フォーム・ビューなどの部品を組み合わせる |
| データ | Dataverseや各種コネクタの接続先を利用する | Dataverseを基盤とする |
| 選定時の着眼点 | 入力や操作の体験をどこまで作り込むか | 関連するレコードをどう管理・参照するか |
基本的な比較は Microsoft Learn:モデル駆動型アプリの概要とキャンバスアプリとの比較 も参照してください。旧記事に掲載していたコミュニティへのリンクは無効だったため、公式文書へのリンクに置き換えています。
キャンバスアプリを検討する場面
現場での入力手順を短くしたい、特定の端末に合わせて画面を作りたい、複数の接続先から必要な情報を集めたい、といった要件があるときに検討します。紙やExcelで行っていた作業の置き換えも、その一例です。
自由度が高い分、画面サイズ、読み上げへの配慮、エラー表示、性能や保守性も設計します。「キャンバスなら業務は必ず単純」「見た目がよければ要件を満たす」とは限りません。
モデル駆動型アプリを検討する場面
顧客、案件、活動などの関連するレコードを、フォームやビューを通じて管理する業務を検討します。Dataverseのデータモデルや権限を軸に、必要な画面と業務の流れを整理します。利用者数の多さだけで決める必要はありません。
環境間の移行では、アプリを関連するテーブルや権限などとともにソリューションで管理します。アプリ単体が、必要な依存関係をすべて含むソリューションそのものになるわけではありません。
権限は画面とは別に確認する
どちらの方式でも、アプリを共有することと、利用するデータへのアクセスを許可することを分けて確認します。画面のボタンを隠すだけでデータの保護が完了したとは判断しません。接続先や利用者に応じた権限と、実際の操作結果を確認します。
変換と併用は違う
Dataverseにデータがあっても、既存のキャンバスアプリの画面やPower Fx式をそのままモデル駆動型アプリへ自動変換できる、とは考えません。同じデータを利用する別のアプリを設計することと、既存アプリの変換は異なります。
同じプロジェクトで両方式を併用したり、モデル駆動型アプリの中で必要な画面を補ったりする設計もあります。カスタムページやフォームへのキャンバスアプリ埋め込みの方式を確認し、画面遷移、データの受け渡し、端末の対応範囲、保守担当を合わせて検討します。
作成画面の参考例(2021年当時)
以下は元の記事で掲載した画面です。設計の違いを振り返るための資料として残しており、現在のメニュー操作を案内するものではありません。
キャンバスアプリの作成画面(2021年)

モデル駆動型アプリの作成画面(2021年)

ライセンスはアプリの種類だけで決まらない
旧記事の「月額10ドル/40ドル」という説明は当時の情報であり、現在の料金表として使用できません。また、Dynamics 365を導入していれば、すべてのPower Apps用途が追加費用なしになるわけではありません。
利用者、接続先、利用機能、既存契約に含まれる利用権とアプリの利用範囲を確認します。契約条件の確認は MicrosoftのPower AppsライセンスFAQ と、そこから案内される現行ライセンスガイドを出発点にしてください。
選ぶ前に整理する4つの質問
- 誰が、どの端末で、どの操作を行うか。
- 必要なデータはどこにあり、どのレコード同士が関係するか。
- 利用者ごとに、何を閲覧・更新できる必要があるか。
- 運用、変更、移行とライセンスを含めて維持できるか。
一般公開の販売サイトを作る場合も、画面の自由度だけでキャンバスアプリと決めず、認証、利用者への共有、ライセンスを含めて方式を検討します。要件を先に整理してから、どの画面にどちらの方式が適するかを判断しましょう。


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